この記事は、「東北関東大震災特設 先生のためのメール相談」のコラムの内容「全国でできる子どものこころのケア」を再録したものです。
2011年3月の東日本大震災の発生時に、3月中に書き、全国にFB、ツィッター、上記HPで発信していったものです。強いストレスに出会ってしまったお子さんにどのように接すると良いのか、とくに、最初の段階で何をすることが良いのかを書いています。
ここでは被災直後と言っていますが、「外傷的なできごと」に出会った直後と読み替えてもよいですし、新型コロナウィルス感染症のパンデミックの中では「被災の真っただ中」と読み替えて、これを読まれることもできるのではないかと思います。
被災直後、こどものこころの不調は体調に出ます
眠り、食欲、排せつが、身体もこころも健康の大きなバロメータです。下痢や腹痛、頭痛、発熱なども、こころの辛さと関連することが少なくありません。こどももおとなもそうなのですが、こどもの方がより身体にこころが現われます。
厳しい環境下ですので、風邪なども引きやすいと思いますが、身体を休むよう心がけられて、身体面でのケアを丁寧になさってください。もちろん、お医者さまの診察もお忘れないようになさってくださいね。
ゆったりと遊ぶ
こころのケアで一番できることは、家族や一緒にいる大人ができることとしては、そのお子さんが楽しめそうな遊びを誘うことです。
楽しいと言っても、おとなしい子であれば、しんみりと 楽しめるあやとりや、折り紙のようなもので良いですし、大人と2人で同じ絵を描くのでも良いでしょう。
お子さん自身が楽しめそうなゆったりとした遊び を誘ってみてください。
無理に楽しませようと頑張るのではありません。関わる大人自身もほっとできるような遊びが良いかと思います。
「ストレス発散!」と言いますが、身体の調子が悪いのに、頑張ってはいけません。
うつらうつら眠る
また、「ちゃんと眠れた?」と尋ねることや、大人が一緒に床を並べて寝ることを誘うことで(避難所などでは自然にその形になると思いますが・・・)、睡眠ができるようにお手伝いしてください。
このとき、子どもをそうしようと誘うのではなく、大人の側が、「心細いので一緒に床を並べて寝てほしい」とお願いをする形でも良いでしょう。
眠りは浅いはずですから、うつらうつらでも長い時間眠るように、お子さん自身も周囲の大人も心がけましょう。
触れること・・・目と手と言葉で・・・
家族のように関係が親密であるのなら、年齢の小さいお子さんに優しく触ることは続けてください。
手のひら全体でしっかりと密着させるように触ります。
一緒に眠ることができると きはタイミングを見て触ることや、髪をすいてあげるときなどに、片方の手ではそのような指使いをすると良いかも知れません。
身体面での不調があると、自然にお世話をする大人は子どもの身体に触ることになりますね。こころの不調が身体に表れるのは、大人が子どもに触るためであるのかも知れません。
安心感や愛情は、目で触れること、手で触れること、言葉で触れることだと思います。
以上をたくさんしてください。
この先も、心理的には厳しい時間が続くと思いますが、この目で触れる、手で触れる、言葉で触れることの積み上げが、これから先の厳しい時間を凌ぐエネルギーになるかと思います。
もちろん、関わる大人たちも、辛い状況にあります。決して無理をせず、頑張りすぎないようにしましょう。
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