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被災直後から小学校の先生ができること(8):眠れない

「小学校の先生ができること」の記事は、東日本大震災発生時に記載したものです。一連の記事は、子どもに強いストレスがかかった場合の対処方法を年齢段階別に示し たものです。すべての子どもに関わる教育の専門家である小学校の先生向けです。災害時以外でも、生かしていくことができると思います。

【状態】恐い夢を見る。布団に入りたがらない

寝言、夜驚、夢遊症状(睡眠時遊行症状)など

夢を見ながら、身体が動くことはあまりありません(末尾コラムを参照)。けれども、何らかの原因で筋緊張の抑制がなされず、夢で見たことをそのまま身体の反応や行動に移してしまうことがあります。たとえば、粗大な四肢や体幹の運動、寝言(叫ぶ、泣く、笑う)や攻撃的運動、立ち上がって動き回るなどの行動がみられることがあります。 

【寝言】
寝言は一般的にを見ている際に発せられると考えられています。当人が見ていた夢の内容に影響される傾向が強いようでえす。夢を見ている際に、無意識に体が動く反射運動の一種とされています。当人に明確な意識がないので、その内容はとりとめが無く、珍妙な発言が聞かれることも多いようです。

【夢遊病(睡眠時遊行症状)】
これは、睡眠中にもかかわらず体動が出現しぼんやりと歩き回る症状です。夢遊病や夢中遊行症 とも呼ばれるます。睡眠障害として睡眠時随伴症(パラソムニア)のひとつに分類されています。
無意識の状態で起きだし、歩いたり何かをした後に再び就眠しますが、その間の出来事を記憶していない状態を指います。その時間は、30秒から30分までの長さになります。夜驚症を合併することがあります。

以上の症状は睡眠前半期のノンレム睡眠時に発生することが多く寝返りとともに起こることが分かっています。小児期・学童期に多く、3歳ー9歳ころに起き始め、脳の成長に伴って自然に回復していくことが多いようです。

【夜驚】
子どもの睡眠障害のひとつで、眠っている最中に突然叫んだり、泣いたりする発作を起こします。脳が深い眠りにつくノンレム睡眠中に起こっているため、子供自身はその出来事を覚えていません。夜驚症は3~6歳の子供によく見られるもので、睡眠時驚愕症とも呼ばれています。睡眠機能が完成する思春期までに治まることが多く、基本的には治療を必要としません。
これが起きる理由として、子供の脳の睡眠をコントロールする機能が未熟で、眠っている状態からうまく覚醒できないために起こると考えられています。興奮する体験(遊園地に行って思う存分に遊んだ)のような快適な体験や、ひどく叱られた不快な体験などがあった場合など、ストレスの負荷がきっかけで起きることもあります。一方、子どものPTSD症状として起きている場合もあり、夜驚が続く場合には、専門家に相談する必要があるかも知れません。


【悪夢】
睡眠時に見る嫌な。もしくは、悪い夢のこと。夜驚が起きる場合の引き金に悪夢がある可能性もありますが、夜驚では、夢の内容は語られないことが多く、尋ねても不明確なことが多いいようです。

【関わり】

恐い夢を見ていないかを尋ねます

・夢の内容はあまり聞く必要がありません

夢の内容について、子どもが語ってきたら、耳を傾け、興味深く聞くようにします。でも、深追いはしないようにします。
「それは、嫌な(恐い)思いをしたねー。」と不快な感情を味わったことを承認します。

・話を最後まで聞いたら、周囲に目を向けるように勧めます。
「みんなは何しているかな?」「あそこには何があるのかな?」…
夢は寝ているときのことだからね。今は大丈夫だよね。楽しいことを楽しもうね」と今に目を向けさせます。

・以下のように語り、話を終えます。
 「こういうとき(災害などのときの意味)に、恐い夢を見るのはよくあることらしいよ」

 「でも、いつまでも続くものでもないんだって」 

一時的に睡眠の習慣を変えることを提案する。

悪夢が続くなどして、眠れないような場合は、家で短いお昼寝などをして睡眠リズムを変える方法もあります。
どのような睡眠時間にしたら良いのかを、一緒に計画するようにし、保護者と一緒に話し合うのも一つの方法です。

お化けが恐い場合は、おまじないを一緒に考えます。

「私のところに来ないでください」
「私の見えないところに行ってください」
「そうすれば大丈夫って言う話を聞いたよ」

というように話すと良いかも知れません。

【コラム】レム睡眠とは
睡眠には2つの状態があります。一つをレム睡眠と呼び、もう一つをノンレム睡眠と呼びます。新生児では、その分量は5分5分ですが、レム睡眠がしだいに減り、レム睡眠が2割、ノンレム睡眠が8割と言われています。

レム睡眠のときは、身体は骨格筋が弛緩して休息状態なのに、が活発に活動して覚醒状態にあるのです。外見的には微動だにせずに寝ているのに、脳は覚醒状態にあります。身体は休息状態なのに、眼球だけが素早く左右に動くのが特徴です。レム睡眠は、「急速眼球運動(rapid eye movement, REM)」を伴う睡眠のことで、この略称から「レム(REM)睡眠」と呼びます。身体が休息しているのに、レム睡眠時は、逆説睡眠とも呼ばれます。

一方、ノンレム睡眠(「徐波睡眠」とも呼ばれます)は、「脳の眠り」と言われ、筋肉の活動は休止せず、体温は少し低くなり、呼吸や脈拍は非常に穏かになってきて血圧も下がります。脳が覚醒していないので、その間のことは記憶されず、この間に夢をみていたかどうかは 確認が難しいとされています。いわゆるぐっすり寝ている状態で、多少の物音がしたり、軽くゆさぶられても目が覚めることはない。

したがって、夢を見ているときは、レム睡眠のときが多いとされています。を見るのはレム睡眠中であることが多いとされます。この期間を経た直後に覚醒した場合に、直前の夢の内容を覚えており、それが夢として語られるとされています。

ハンス・ホルバイン《大使たち》1533年|床の変な模様、この絵を左側から見ると…頭蓋骨が現われるだまし絵です。

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ABOUT US

cocorocare大学教授・NPO法人元気プログラム作成委員会理事長
NPO法人元気プログラム作成委員会理事長。カウンセリング研修センター学舎ブレイブの運営をしています。大学で教育臨床心理学を教えています。教育相談の面接を35年以上してきました。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、カウンセリング心理士(認定カウンセラー)です。カウンセリング心理士のスーパービジョンの資格もあります。臨床経験ですが、1時間の対面相談だけでも2万時間以上の面接を重ねてきました。 一緒に悩みの解消を考えていくカウンセリングスタイルが基本です。市町や学校単位で不登校を減少させる取り組みも18年ほど取り組んできました。クライエントさんの意志を尊重しつつ、必要とあれば、PTSDの解消にはEMDRを用いたり、アクティブテクニックとして認知行動カウンセリングを用いたりします。