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被災直後の幼いお子さんの様子に応じた関わり(1):睡眠の問題

幼いお子さん の様子に応じた関わり」は、東日本大震災発生時に記載したものです。この記事は、お子さんに強いストレスがか かった場合の対処方法を年齢段階別に示したもので、このシリーズは、「幼い子ども向け」のものです。災害時以外でも、生かしていくことができると思います。幼い子どもの睡眠の問題では、保護者の関わり方の工夫について、支援者が保護者相談乗るのが原則です。

睡眠の問題の状態

「布団に入りたがらない」」「ひとりで寝るのを嫌がる」
「夜中に叫んで目を覚ます」「ぐずぐずいつまでも寝ない」
「ひとりでは寝たがらない」「夜中にすぐ目を覚ます」「大きな叫び声をあげる」

睡眠の問題への関わり

一緒に寝るように勧めます


一緒に寝るのは、自分より幼い子と思っている年齢のお子さんであると、それを恥ずかしく感じるかも知れません。それを恥ずかしがって嫌がるようなときは、「寂しいから一緒に寝てくれないかなぁ」と、大人の方がお願いする形で誘う方が良いと保護者にお伝えするのも一つの方法です。

眠る前の習慣を工夫するようにご家族に促します

布団に入る前に、お子さんが好む儀式「本を読み聞かせる」「お祈りをする」「添い寝をする」などを、毎日続けるようにして、習慣にするように保護者に勧めます。
これまでの生活が変わってしまったので、先の見通しが持てなくなっているのです。眠る前にいつも行うことがあることで、お子さんは、「これからお布団に入るんだ」という見通し、気持ちの準備ができるようになります。

抱っこするように勧めましょう。
  (眠る前にむずかったときも、夜中に目を覚ました時も…)


「そばにいるよー」「どこにも行かないよー」「平気だよー」「守ってあげるからね」などと、安心させる言葉をゆったりとした口調で語りかけることを保護者に伝えましょう。ゆったりと、のんびりと、語尾を少し延ばすような感じでの語りが良いように思います。
もう大丈夫、安全だと感じられれば、眠りにつくことができます。

「サイコロジカル・ファーストエイド」は、こころのケガの応急手当の方法です。これは、大規模災害、事故などの直後に提供できる、心理的支援のマニュアルです。災害精神保健に関する、さまざまな領域の専門家の知識と経験、および、たくさんの被災者・被害者の声を集めて、アメリカ国立PTSDセンターと、アメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワークが開発したものです。この記事は、それを災害の場面に限定して、一般の支援者向けに書き換えたものです。

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ABOUT US

cocorocare大学教授・NPO法人元気プログラム作成委員会理事長
NPO法人元気プログラム作成委員会理事長。カウンセリング研修センター学舎ブレイブの運営をしています。大学で教育臨床心理学を教えています。教育相談の面接を35年以上してきました。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、カウンセリング心理士(認定カウンセラー)です。カウンセリング心理士のスーパービジョンの資格もあります。臨床経験ですが、1時間の対面相談だけでも2万時間以上の面接を重ねてきました。 一緒に悩みの解消を考えていくカウンセリングスタイルが基本です。市町や学校単位で不登校を減少させる取り組みも18年ほど取り組んできました。クライエントさんの意志を尊重しつつ、必要とあれば、PTSDの解消にはEMDRを用いたり、アクティブテクニックとして認知行動カウンセリングを用いたりします。