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PTSDの子どもを支援する 各症状にどう関わるか|「怒りっぽい」「反抗的」な場合

外傷的な体験に出会ってから、数ヶ月以上経過して生じてくるのがPTSD症状です。この記事は、お子さんが示す外傷的な体験に関わる心理的な症状別に、どのように関わったら良いのかについて、お話ししています。ここでは、「外傷的なできごと」が起きたての初期段階に行うことと少し異なっています。過去にいじめられ体験や虐待体験のある子どもへの関わりとしても役立つであろうと思います。
PTSD症状であってもなくても、お子さんの近くにいる保護者や支援者がお子さんにどのように関わると良いのかについて、間違いのない関わり方に限定してお伝えしています。

なお、この記事は、2011年10月16日に東日本大震災後のこどものこころのケア支援のための専用HPで掲載されたもので、それを再構成しました。

基本的な構え…穏やかに、積極的に関わる

症状がどのようであっても必要な関わりというものがあります。たとえば、関わる側が安定した心持ちでいられること、不快な感情を言葉で表現することは、ストレスがかかっているお子さんでも、非行などを示す反社会的なお子さんでも、おとなしい非社会的なお子さんでも、発達障害などで、ストレスを抱えやすいお子さんにも、どのようなお子さんにも必要な関わりです。これらのことは、各回でも強調することになります。

子どもの怒りに煽られて、安易に怒らず、穏やかに接します。他方で、関わりを積極的に行います子どもを避けず、子どもとの関わり自体を好ましく感じることが、基本的な構えになります。

怒りをっ示すお子さんは基本的に活発ですので、お子さんはさまざまな活動に取り組むかも知れません。お子さんの行動が適切なものであるときには、意識的にお子さんの様子を目で認め、「それで良い」という視線を送るようにします。

不適切な行動や危険な行動は、躊躇せずに規制して良いのですが、お子さんがその行動をストップさせたら、それを承認します。

お子さんに触ることが許される関係であるなら、手のひら全体で、肩や背中に触るようにします。これは、落ち着いて活動に取り組んでいるときに、「それで良いから」と、皮膚接触で伝えて行く方法です。この触り方は、「とけあい動作法」の手法ですが、10分ほどで簡単に覚えられる方法です。これは、怒りが収まったときや、活発に動くことが収まったときにも使うことができます。

新型コロナウィルスが蔓延している今(2021年4月現在)は「とけあい動作法」の適用は勧めません。ソーシャルディスタンシングが求められています。この技法の適用も伝達も今は手控えています。

みどりの東北元気キャンプ     撮影 小林正幸

怒りを示した時に行うこと

1.怒りを始め、お子さんの抱えている不快な感情を言葉にする

このお子さんたちは、 恐さや辛さや苦しさをたくさん抱えているのです。そして、恐がる弱い自分を周囲に見せてはいけないと感じている姿と思えます。また、自分の力で乗り越えようとしている姿であるかもしれません。そのように、立ち止って考えるようになさっていただきたいと思います。

怒っているお子さんの場合、関わる者が、その怒りの感情を把握し、それを言葉にするのは簡単です。

「イライラしているんだね」「腹が立っちゃったんだ」と言葉にします。そのときに、それ以外の感情を探りながら、お子さんに関わるようにします。「嫌だ」という感情もあるかも知れません。

活動性が高まり過ぎている場合では、「焦っちゃうんだ」「緊張しているように見えるよ」との言葉かけが適切な場合もあります。ADHDなど、多動なお子さんは、強い緊張があるものです。そのような場合は、このような声をゆったりとかけるのが良いかも知れません。

怒りながら、目に涙が浮かんでいるような場合は、「くやしんだ」「悲しくなっちゃうね」などの言葉が適切かも知れません。

お子さんの過去の傷つきの理由が分かっていて、どこかでその感情が感じられるのであれば、「さみしい・・・かな?」とか、「心配になってしまったように感じるけど…」などの言葉が的確である場合もあります。

2.怒りの背後にある願いを言葉にする

怒りに限りませんが、不快な感情の背後には、多くの場合、願いが背後にあります。不快な感情の後ろには、必ず願いがあるのです。

怒りでは、「○○してほしい」「○○してほしくない」「○○のままであってほしくない」「○○のままであってほしい」などの強い願いがあります。

それを本人に語らせるようにするのではありません。その見当がつくのなら、お子さんの願いを代弁するのです。これを繰り返して関わってもらえなかったので、イライラや怒りや妙に元気に見せるとで、やり過ごすことが癖になってしまっているからです。

自分の願いを表現できること、その表現が許されることが、このようなお子さんに必要なのです。

お子さんが冷静になってから行うこと

1.気持ちを落ち着けたことを喜ぶ

怒りが収まったら、気持ちを収めたことを、「よかったね・・気持ちが楽になったね」と、そのことを喜びます。

冷静に自分の要求を言葉にし、他者との妥協点を探ることが、怒りの感情を上手に扱うことです。そのための前提として、怒りに支配されないようになることが、重要なことになります。

2.願いがあることを受け止めるが、願いの可否は一緒に判断する

感情を言葉にして受け止めて、その願いを分かることと、その願いを叶えるように受け入れて、それを手伝うこととは別物です。危険なこと、ルールに反することは、許容する必 要はまったくありません。ただし、なぜ、それが難しいのかについて、本人がどのようにその理由を考えているのかを話し合い、なぜ、その願いがかなえられないのかについて、一緒に判断します。

他者との関係で怒っている場合には、相手に何を願っているのかを明確にし、「その願いを実現するために、自分は何をすれば良いのか」を一緒に考えます。

こちらがしっかりとして持たねばならないのは、怒りにせよ、どのような否定的な感情も、それが悪いものではないとの大人の余裕ということになります。

怒りを示すお子さんへのマイナスの関わり

このようなお子さんには、以下は行っていけない関わりになります。

大人が注意や叱責で、怒りを抑え込もうとしたり、「おとなしくしていなさい」「静かにしなさい」と行動面にアプローチをするのは逆効果です。そうすればするほど、このようなお子さんは、かえって、怒ることが増え、大人に反抗するようになり、活発になっていってしまいます。

また、「活発だからいいね」「元気に遊んでいるから大丈夫」と安心して関わらないのはいけません。そのまま気が付かずに放っておかれてしまうのも問題です

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ABOUT US

cocorocare大学教授・NPO法人元気プログラム作成委員会理事長
NPO法人元気プログラム作成委員会理事長。カウンセリング研修センター学舎ブレイブの運営をしています。大学で教育臨床心理学を教えています。教育相談の面接を35年以上してきました。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、カウンセリング心理士(認定カウンセラー)です。カウンセリング心理士のスーパービジョンの資格もあります。臨床経験ですが、1時間の対面相談だけでも2万時間以上の面接を重ねてきました。 一緒に悩みの解消を考えていくカウンセリングスタイルが基本です。市町や学校単位で不登校を減少させる取り組みも18年ほど取り組んできました。クライエントさんの意志を尊重しつつ、必要とあれば、PTSDの解消にはEMDRを用いたり、アクティブテクニックとして認知行動カウンセリングを用いたりします。