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被災直後の子どものこころのケア|つらさや恐怖は、人と比べないことが大事

これは懐かしい記事です。2011年3月の中旬に「先生のための電子メール相談」を立ち上げ、その最初の記事ではなかったと思います。関東地方では、電力が足らず計画停電がなされていました。暗闇の中で、それこそ文字通りにブラインドタッチで手探りでこの記事を書いたように思います。
そのときの空気を捉え、東北の各地からの情報を見ながら、遠くに思いをはせることの尊さを感じていました。その一方で、どこかに危うさが潜んでいるようにも感じていたのです。辛さや恐さは、人によって違うことを、どこかで忘れることの怪しさがあるように思えたのです。そのことは分からなかったのですが、その後の災害のたびに被災の初期に起きるものなのだだと分かってきました。
今、コロナ禍の真っ最中です。まだ、災害が終わってもません。この比較のこころは、一歩誤ると、差別や対立や分断に繋がっていく危ない空気なのだと、本当に、今にして思うのです。
皆さまはいかがですか?

被災地からの距離を比較してがまんしないようにしましょう

自分よりも大変な思いをしている地域があることを、テレビを見て知ります。

もっともっとつらい思いをしてる人がいるんだから、「私はがまんしなければいけないんだ」と考えます。

日本人の美徳ですね。

でも、 今回の災害は、その大きさが尋常なかったのです。被災した人は、どなたでもそうでしょう。

でも、東北で、たとえ、被害が軽く済んだとしても、恐ろしい思いをしていたのです。
都内では、帰宅困難となったお父さんやお母さんを、こころ細く感じつつひたすら待ちながら、東北の災害を伝えるテレビをじっと見続けていた子どもたちが大勢いました。

恐怖は、人との比較でその大きさが決まるのではありせん

どれほど、遠い地域でも、どれほどの軽微な被害でも、恐いものは恐いのです

恐いと言っていいのです。

泣いていいし、叫んだっていいのです。

それは、お子さんは当然です。大人も一緒です。

被害が軽かった地域での子どもに必要なこと

今の時期に恐いと訴えて、落ち着きをなくしているお子さんの反応は、とても自然です。

身体で感じる恐さに寄り添い、誰かに安心を与えてもらえれば、 時間の経過とともに癒されていきます。

先生へのお願いです。保護者の方々にもお願いです。

他の地域と比較して、「もっとつらい思いをしている人たちがいるんだよ」という形で、お子さんの示すさまざまな不安や恐さ、その辛さから示す欲求不満を我慢させないでください。

たとえ被害が軽かった地域でも、お子さんたちは、テレビの映像にさらされました。

それは映画の作り物ではありません。大人たちは楽しんで見てはいません。

その余裕のなさが、子どもの不安を増してきていきます。

被災地からどれほど遠くでも、お子さんが災害前よりも不安が高かったり、我ままを言うようになったときは、その恐怖を認め、安心を与えるということを大切になさってください。援助にあたっている大人たちも同じです。

つらさや恐怖は、人と比べないことが大事なのです。

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ABOUT US

cocorocare大学教授・NPO法人元気プログラム作成委員会理事長
NPO法人元気プログラム作成委員会理事長。カウンセリング研修センター学舎ブレイブの運営をしています。大学で教育臨床心理学を教えています。教育相談の面接を35年以上してきました。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、カウンセリング心理士(認定カウンセラー)です。カウンセリング心理士のスーパービジョンの資格もあります。臨床経験ですが、1時間の対面相談だけでも2万時間以上の面接を重ねてきました。 一緒に悩みの解消を考えていくカウンセリングスタイルが基本です。市町や学校単位で不登校を減少させる取り組みも18年ほど取り組んできました。クライエントさんの意志を尊重しつつ、必要とあれば、PTSDの解消にはEMDRを用いたり、アクティブテクニックとして認知行動カウンセリングを用いたりします。