
「子どもたちのこころのなかで何が起こっているのか」で書いたこと
こんにちは。Cocorocareです。
今回は、2021年1月27日に刊行された「コロナと闘う学校」の第4章に書かせていただいたことのダイジェストをお伝えします。よろしければご購入くださいね。<m(__)m>
コロナと闘う学校 Amazon ¥2,200 ← 購入はこちらから
子どもたちの安全と学ぶ権利を守るため、奮闘する学校。その限界と可能性を探る。
第4章の項目を見るには↓をクリック↓
- 新型コロナウィルス感染症がもたらすストレス
- こどもたちのストレス反応の特徴
- 「おうち生活」による負荷の増大
- 心理的な距離をはばむ社会的距離
- 臨時休校による正と負の反応
- 学校を居心地の良い場にするのは
- 忍び寄るコロナいじめを防ぐために
新型コロナウィルス感染症がもたらすストレス
この項目のうち、最初の項目「新型コロナウィルス感染症がもたらすストレス」についてお伝えします。この内容は、結構難しいので、本の中では、難しい理論をあっさりと書いています。
大学の講義の中では、こんなことを言います。
「ストレスについてちゃんと伝えること自体ストレスなんですよ」と・・・。
ですので、この本の中では、あっさりと述べたのです。ここでのお話は、むしろ、その本のダイジェストではなく、解説になりますね。

Lazarus(ラザルス)のストレスコーピング理論
ここから少し難しくなります。
セリエ氏のストレス理論を引き継ぎ、研究を深めたのが、アメリカの心理学者リチャード・S・ラザルス氏です。ラザルス氏はストレス理論を心理学的な見地から拡大し、ストレスコーピング理論を構築しました。
ラザルス氏の理論によれば、ストレスの発生プロセスは、「ストレッサー」「評価」「ストレス反応」の3段階に分けられると言います。
- ストレッサー:外側から加えられた刺激
- 評価:【一次評価】その刺激は安全❓/危険❓
【二次評価】ストレスに対処できるように評価する考え
「安全じゃない!」「危険だ!」「何とかしなくては…」
「望みがある/望みがない」「どうにもならない」…など。 - ストレス反応:身体反応
不安・恐怖反応
怒り・フラストレーション反応
抑うつ・無気力反応
日本語のストレスでは、ストレッサーとストレス反応が不分明で使われていること、ストレス反応は、その外側の刺激をどのように評価するのかで異なってくることを理解してもらっています。
評価は「考え」です。考えは文字でできています。それは文字なので、その文字部分を変化させることは難しくありません。上手に考えて、評価を変化させることができれば、過剰なストレス反応を抱かなくできるはずです。これを「ストレスコーピング理論」と言うのです。
ちなみに、「コープ(cope)」とは対処する」「対応する」という意味です。
コロナ禍災害の特徴

その点で考えると、今回のストレッサー新型コロナウィルス感染症と2011年3月に起きた原子力災害事故はとても似ています。原子力発電所の事故は、次のような特徴がありました。
【原子力災害に関わるストレッサーの特徴】
- 不確実な情報が飛び交いました。
- 先の見えなさ:終息までの時間が長く、見通しが立たない…
原子力災害緊急事態宣言は今も発令中 - 心理的なな分断ー差別・虐待
- 外出自粛(子どもの遊びは屋内に限定:福島)
一方、今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わるストレッサーの特徴では、次のことが挙げられます。
【COVID-19に関わるストレッサーの特徴】
- ストレッサーが多様に増加した。
- 不確実な情報が増加した
- 外出制限(自粛)による不自由
- 社会活動の停滞による経済活動の停滞が顕著
- 日常生活の激変ーおうち生活、三密回避、social distancing…etc.
- 人間関係の変化(悪化;差別、排除)
- 家族関係の変化(悪化;虐待、DV)
- 特定業種への負担の増加…医療、保育、福祉、教育、第3次産業など。
- 病気に罹患した場合、知人が罹患した場合、死亡した場合…
子どもたちの罹患も6月から1月までの間に1万2千人がCOVID-19に罹患したと文科省は発表しています。若年層は罹患しないわけではなく、多くの脅威の中にいると考えられます。
コロナ禍ストレスに特有の大きな課題
Coronacareはこのように考えます。この災害で、子どものこころを守るこころのケアの側面で一番大きな課題は、次のことがあるように思います。皆さんは、どうお考えですか?

【広告】

コロナと闘う学校 Amazon ¥2,200 ← 購入はこちらから
子どもたちの安全と学ぶ権利を守るため、奮闘する学校。その限界と可能性を探る。
コメントを残す