「幼いお子さ んの様子に応じた関わり」は、東日本大震災発生時に記載したものです。一連の記事は、お子さんに強いストレスがかかった場合の対処方法を年齢段階別に示し たもので、このシリーズは、「幼い子ども」向けのものです。災害時以外でも、生かしていくことができると思います。
★はじめに
この記事は「サイコロジカル・ファーストエイド 付録」「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版」(Psychological First Aid ; PFA)を参考に、一部を、支援者である学校の先生に分かりやすい表現にしております。 被災地では、この資料の全てをダウンロードして入手できないかもしれません。そこで、簡単に画面を眺めればすむようにしたものです。 このURL(https://www.j-hits.org/document/pfa_spr/page1.html)から入手できる方は、その資料の方が充実しております。それを参考になさってください。
災害が起きてから比較的初期の段階で、大人が幼いお子さんの様子に応じて、こんなふうに関われたらいいなぁと思うことを、お伝えしていきます。これは、大きな事故に遭ったときや犯罪被害にあったような場合などに、幼い子どもが示す症状にどう接するのかを書いています。初期とは、被災後数か月以内とお考えください。
くれぐれも言いますが、これから述べていくこと全てを、「お子さんにしなければならない」なんて思わないでください。
第一、頭ではこのようにしたいと思っていても、できないことはありますね。 それどころか、その逆のことをしてしまって、「しまった」と、頭を抱えることもあるのが普通です。
完全であろうなんて思わないでください。「こっちの方が良いんだ」と分かっているだけで、もうそれで十分なのです。
支援者がお子さんの支援のためにご家族にできること
支援者、学校の先生など、他人ができることと、ご家族でしかできないことがあります。保護者に「○○をするように」と指導するのは、ご家族に行う支援にはなりません。
「このようなお子さんには、このように関わると良いかも・・・」と、関わりのモデルを目の前でしてみせるのです。そして、お子さんを穏やかな笑顔に導いていくこと、これが子どもに関わる先生方に求められる専門性だと思います。
親子関係は、何年もかけて作られてきたものです。「こうしてください」と言われて、保護者が急に変われるものでありません。ですので、ご自分がしてみせて、変化をさせて実績を目の当たりにさせてから、幼いこころのケアのコツを伝えていくようにしましょう。
サイコロジカル・ファーストエイドとは
これは、治療法のマニュアルではありません。少しの知識があれば誰にでもできる、こころのケガの回復を助けるための基本的な対応法を、効率よく学ぶためのガイドです。それぞれのご専門、お立場、ご経験、あるいは現場のニーズに応じて、必要な部分だけを取り出して学んだり、使ったりすることができます。精神保健の専門家の方はもちろん、災害や事故の現場で働く可能性のある一般の方々にも、学んでいただける内容です。(兵庫県こころのケアセンター記事より抜粋)
今後の記事予定
- (1)睡眠の問題
- (2)おびえたとき
- (3)食の問題
- (4)赤ちゃんがえり
- (5)危険なことをする
新しい記事がアップされたら、リンクを貼りますね。
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