「幼いお子さん の様子に応じた関わり」は、東日本大震災発生時に記載したものです。この記事は、お子さんに強いストレスがか かった場合の対処方法を年齢段階別に示したもので、このシリーズは、「幼い子ども向け」のものです。災害時以外でも、生かしていくことができると思います。
幼い子どもがおびえるときも、保護者のお子さんに関わり方を伝え、保護者とお子さんを間接的に支えることと、保護者が疲れ過ぎないように、保護者に代わって子どものお世話をすることなどで保護者を支えることについて触れています。
おびえたときの状態
何か悪いことが起きるのではないかとびくびくしている。
親の後を追いまわす。離れたがらない。
おびえたときの関わり
この話は、災害に限らず、事故や犯罪被害に遭ってしまった場合など、そのことが起きて数か月以内での周囲の関わり方に生かしていただきたいことです。
「いつも一緒にいる」「大丈夫だ」とお子さんに言うことが一番大事です
保護者が一緒にいられるときには、一緒にいるように勧めましょう。一緒にいても済むように、保護者に代わって行えることを手伝い、保護者の負担を減らすことを意識します。そして…
「今はもう大丈夫」と、お子さんと保護者に言い聞かせてください。
被災した初期の人(保護者)に関わる場合の注意点
【以下は、精神科医仁木啓介先生(JEMDR-HAP委員長 ニキハーティーホスピタル)の記事を抜粋し、一部解説を加えて再構成したものです。「被災した人への初期対応」。詳しくは、この記事の全文をご参照ください。ここで紹介するのは、上記のように「今は、大丈夫」と語ることの意味を補填するためです。このことの意味が理解できるように引用しています。】
被災した人に、無理に災害の話をさせてはいけません。本人が自然に話す分だけを丁寧に聞きます。その際には、その人が語る辛い感情や苦悩を、安易に”繰り返さない”ようにします。 「被災した人への初期対応」 より
とくに、話を聞く側がその話に共揺れしながら辛い状態を聞くと、その状態を強めてしまいます。カウンセリングトレーニングを受けた人は、とくに失敗しやすい点ですので、注意しましょう。記憶そのものがまだ十分に処理されていない段階で、辛さを話すと、記憶を定着させてしまいがちです。カウンセリング場面で過去の記憶の辛さを扱うこととは違うのです。
その代わり、良い事や、嬉しいことを話した時には、必ず”繰り返す”ことを意識しましょう。その感情を上手く表現できない人もいます。その場合には、「○○で良かったですね」「助かって、嬉しいです」と聞き手の肯定的な感情で補います。 「被災した人への初期対応」 より
中には、頑張りすぎて必要以上の事を話す人もいます。その場合には、聞き手の話すスピードをゆっくりにします。聞き手がそれとなく、ゆっくりした相づちを打ったり、うなずいたり、途中で深呼吸を促したり、飲み物を勧めてみて下さい。 「被災した人への初期対応」 より
トイレなど、保護者が少し席を外すとき
親御さんに代わって
「こわいのね」
「行ってほしくないんだね。今は大丈夫。必ず戻って来るからね」
「ママは、○○ちゃんのことが大好きだよ」
「ママはずっーと一緒だからね」とお子さんに声をかけるようにします。また、保護者の方にもそのように語るように勧めてください。
また、周囲の支援者にも、そのような声をかけるように促したいですね。
保護者が用事でその場を離れるとき
支援者が、いつ、どこに行き、何時にもどるのかを家族に聞き、それをお子さんに伝えるようにします。そして、支援者など誰かが、保護者が戻るまで、お子さんの近くにいるようにしましょう。
支援者や親御さんは、消防、警察の人やボランティアのおじさん、おばさん、お兄さん、お姉さんなどが、お子さんや親御さんのために、どんなにがんばっているかを優しく話しかけてみましょう。
「だから・・・大丈夫」と話を結んでください。
話しかけているうちに、語っている大人の側も安心してきます。
一緒に、明日の準備をする…など、
何か明日につながる希望が持てることをしましょう。
心理的なダメージについても、初期のケアがきちんとできないと問題が長引いたり、初めは大丈夫そうに見えても後から気分が落ち込んできたりする場合などがあります。
「サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)」では、支援対象者が求めていることを把握し、状況がそれ以上悪くならないように、対象者がレジリエンスを発揮して回復していける環境を整えることを重視し、応急処置を行うことを指しています。
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