不登校は学校での何かの不快に感じた体験があることで始まる
不登校は、学校での何か不快に感じる体験があることで始まります。
早い段階で、この不快な出来事を特定し、その課題を取り除くことができれば良いのですが、現実には、その出来事が分かるまでに時間がかかることが少なくありません。また、その課題が簡単に解決できない場合もあります。
一方、実際にあった出来事がそれほどたいした問題ではなくても、その出来事で通常感じるよりも強い不快感を感じてしまうこともあります。
たとえば、いじめられた体験のある子どもが、遊びの最中にちょっとした仲間はずれを理由に欠席が始まるような場合があります。あるいは、東北で起きた災害では、保護者と出会うまでに時間がかかったようなことがありました。その場合、「嫌だ」「さみしさ」「悲しみ」「不安」「怒り」「孤独感」などの感情を強く味わいます。その後で、学校生活で仲間はずれのような不快なことが起きると、過去の不快な体験で感じた感情が湧きあがりやすくなります。
このようなとき、そこで起きたこと以上に、特定の場面を不快に感じます。その辛さからその場面を避けるようになります。このようなことから、不登校が始まる場合もあります。
不登校の本質:不快感が増幅し、不安を深刻化させていく
さらに都合が悪いことに、その後、不登校が続くと、それが続いたことで、その不快感が増幅していきます。不登校の問題の本質は、欠席が続くことで、不快感が増幅し、問題が日々深刻化していくのです。
実は、不登校は、不快な体験を得たことで始まるのです。日々、その不快な体験を思い出し、不快な感情に苛まれます。何かを思い出したり、イメージしたりすることで起きる不快感を不安と言います。その不安は、欠席が続くことで増大していくのです。
しかも、不快な場面を思い出して感じる不安が、登校を抑制するように作用させます。結果、登校ができません。
この登校ができないことが、ますます「自分がダメなんだ」という自己概念を悪化させていきます。不登校であることが、不快感を連日増幅させ、登校への不安を深刻化ささせるのです。
どっしりとした安定感を持って不安などの不快感を受けとめる
ですから、不登校の子どもと接する上で大事なことは、子どもの不快感、とくに不安と向き合うことなのです。
このときに大事なことは、子どもが不快に感じていることを受け止めながら、不快に感じても良いとします。・・・不快に感じてしまうのは仕方がないのですから。
そのような不安を始め、さまざまな不快感が、子どものこころを支配していることを十分に理解する必要があります。それを前提として関わらなければなりません。
そのときに大切なことは、関わる側が、どっしりとした安定感を持って、その不快感を受け止めることなのです。
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