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コロナ禍で今後不登校は激増する(1): 2020年度の長期欠席者数は少なく見積もられた

20年度問題行動・不登校調査(2021年10月)より

文部科学省が「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表したのは、2021年10月13日でした。年間30日以上欠席をした小中学校の児童生徒の状況は、以下の図に示す通りでした。

文部科学省「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」より

ここで述べられていることは大きく次の2点です。

 ❖長期欠席は28万8千人。昨年度よりも約3万5千人が増加した。
 ❖増加分3万5千人の内訳は、
  ・「コロナ感染回避(自主休校)」が2万1千人弱が新たに発生。
  ・「不登校」は1万4800人増加した。

                (不登校は8年連続増加し、過去最多)

本来の基準で推計すると…20年度長期欠席者数はもっと多い

この統計で注意しなければならないことがあります

❖20年度の授業日数は、臨時休校と分散登校などで、年間の出席日数は、学習指導要領に必要なギリギリの日数(170日程度)の学校が多かった。その中の30日の欠席である。
❖例年(200日出席日数中の30日欠席)よりも、本来は長期欠席は減少してしかるべきである。それなのに、3万5千人分も増加している。

これが意味するのは、例年の基準、年度間200日の出席日数の中で30日の欠席とは、年度間欠席率は15%です。一方、年度間170日の出席日数で30日の欠席では、年度間欠席率は17.6%です。
従来と同じ欠席率15%で長期欠席者をカウントすると、出席日数170日の場合、年度間に「30日以上」ではなく、「25.5日以上の欠席」を長期欠席の基準としなければ、年度間「30日以上」でカウントした従来のデータとの比較はできません。
あるいは、出席日数170日の場合で欠席30日以上をカウントした今回のデータは、「年度間で35.3日以上の欠席した者を長期欠席者としてカウントした」と理解しなければいけないのです。

つまり・・・

20年度の長期欠席の増加は、低めにカウントされたのです。

幸か不幸か、21年は臨時休校などはなされませんでした。授業日数は200日を担保した学校が多かったのです。

したがって、今現在進行中の2021年度の長期欠席は・・・

2021年度の長期欠席は、20年度とまったく同様の欠席状況でも、統計上の自然増は確実なのです

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ABOUT US

cocorocare大学教授・NPO法人元気プログラム作成委員会理事長
NPO法人元気プログラム作成委員会理事長。カウンセリング研修センター学舎ブレイブの運営をしています。大学で教育臨床心理学を教えています。教育相談の面接を35年以上してきました。 公認心理師、臨床心理士、学校心理士、カウンセリング心理士(認定カウンセラー)です。カウンセリング心理士のスーパービジョンの資格もあります。臨床経験ですが、1時間の対面相談だけでも2万時間以上の面接を重ねてきました。 一緒に悩みの解消を考えていくカウンセリングスタイルが基本です。市町や学校単位で不登校を減少させる取り組みも18年ほど取り組んできました。クライエントさんの意志を尊重しつつ、必要とあれば、PTSDの解消にはEMDRを用いたり、アクティブテクニックとして認知行動カウンセリングを用いたりします。